すごいMVP(Minimum Viable Product)の例

いつでも思い出せるように、優れたMVP(Minimum Viable Product)の例をこの記事にまとめておこうと思います。

MVPというのはリーンスタートアップで提唱されたもので、ユーザーのフィードバックを得るために必要最低限の機能だけを実装したプロダクトです。

わかりやすいメリットとして、莫大な開発費と広告費を投入したあげく、ユーザーに見向きもされないものを作ってしまう、といったリスクを減らすことができます。

DoorDashの例

2013年にスタンフォード大学の学生4人が在学中に起業して、今や時価総額10億ドルを超えて「ユニコーンクラブ」入りしているDoorDash(ドアダッシュ)という食事デリバリー代行サービスのスタートアップがある。

~ 中略 ~

そんな彼らが最初に作ったMVPは、きわめてシンプルな1ページ構成のウェブサイトで、「バリュー・プロポジション(提供価値を伝える明快なキャッチコピー)」、「価格」、「コール・ツー・アクション(注文の手順と電話番号)」、「PDFになっている各レストランのメニュー」という必要最低限の情報が並んでいるだけだった。このMVPの構築に要したのはたった1時間だ。

必要最低限の機能しかないランディングページを作り、カスタマーにそもそも食事の配達というニーズがあるのかを検証することがMVPによる最初の実験のフォーカスだった。

起業の科学 p185

ザッポス(Zappos)の例

ザッポス(Zappos)は世界最大のオンライン靴店である。総売上高は10億ドル超。

~ 中略 ~

スインマーンは実験からスタートすることにした。近所の靴店に頼んで在庫品の写真を撮らせてもらった。撮った写真はウェブに掲載し、それを誰かが買ってくれたらお店の売値で買うからと言って。

~ 中略 ~

ザッポスが行った実験からは、十分な数の顧客が靴を買う、あるいは買わないという、明快で定量的な結果が得られた。

リーンスタートアップ p81

ドロップボックスの例

~ 前略 ~

技術的な問題をいろいろと解決しなければ製品が動くようにならないし、製品のオンラインサービスが機能するためには高い信頼性と可用性が必要だった。しかし何年もかけて開発したあげく、誰も欲しがらない製品だったとわかる失敗は避けなければならない。そのためにハウストンがとった対策は驚くほど簡単なものだった。動画を作ったのだ。

動画は技術がどういう感じで働くのかを示す3分ほどのシンプルなデモで、作りもごく平凡だった

~ 中略 ~

効果はハウストンの予想を大きく上回る。「あの動画を公開したところ、何十万人もがアクセスしてくれました。文字どおり一晩で、ベータ版の予約リストが5000人から7万5000人になったのです。あれには圧倒されました。」

リーンスタートアップ p134